彼女は
笑顔でそう言い切った。


ぼくは、
しばらく口がきけなかった。

「…もっと、鍛えなきゃな。オレも。」

「がんばりなね。」


月明かりの公園で、
少しうつむいて、
そう言った彼女は、

何故かハカナゲで、
今にも消えてしまいそうに見えた。


真っ白い肌が、
夏の終わりの、
この熱気の中に、

あまりにもタヨリナゲだった。

普段はそんなことを
感じたことはなかったのに。