あの時は
ちえちゃんと、
半ば母親にムリヤリ着せられた
ぼくは、浴衣だった。


1人、
いつも通りの姿で現われた
みいちゃんは、
きまりが悪かったのだろう、

「2人とも、
そんなカッコじゃ、
あんまり遊べないね。」

と言って、
1人で
公園の鉄棒をしたり、
他の子達と
鬼ごっこをしたりしていた。


ちえちゃんも、
その時の事を
思い出しているのだろうか。

ぼくは
隣を歩いているちえちゃんを見た。

今日は、
ちえちゃんも彼女も浴衣を着ていた。

ぼくだけが
ジーンズとTシャツだった。