響くんは黒のPコートに同じく黒の細身のデニム。
この前より少し髪が短くカットされていて、さらに大人っぽくなっていた。
響くんの私服は初めてみるけど、シックな感じですごくおしゃれ。
少しのあいだ響くんと見つめあっていた私は、ハッと我に返った。
「響くん、どうぞ中に入って。
寒かったでしょ?」
「あ、…うん」
響くんはぼんやり私を見つめたまま、どこか上の空で返事をした。
「これ履いてね」
スリッパをに出して響くんに勧める。
「ありがとう。
…お邪魔します」
響くんをリビングに案内して、ソファーに座ってもらう。
「えっと、麻紀ちゃんたちはまだなの。
もうじき来ると思うけど」
私は響くんの向かい側に腰を下ろした。
