「っ、と」
柴野くんの腕が私の肩を受けとめてくれた。
「ご、ごめんなさい」
慌てて態勢を立て直す私に、今度は麻紀ちゃんが抱きついてきた。
「ごめんね~、澪」
麻紀ちゃんの声、
なんだか反省の色が見られないんですけど…
司くんも私たちの方を見てニヤニヤ笑ってるし。
「響、一応紹介しとくわ。
澪ちゃんに抱きついてるのが、俺の彼女の岸本麻紀。
麻紀、こいつが柴野響」
「麻紀です、よろしく。
って言うか、なんで一応なのよ!」
「だって柴野、麻紀のこと眼中になさそうだし」
「…確かに」
え??
司くんと麻紀ちゃんの視線が私に投げかけられる。
「ま、とりあえず場所移そうか?」
