「えっと… すごく優しくて…すてきな人なの。 嫌なことなんてされてない。 ただ、振り向いてもらえないのが…、 時々辛くて苦しいの」 「---洸貴はソイツのこと知ってるのか?」 よぉ~く知ってるよ。 だって親友同士だよね、柊司とお兄ちゃん--- とは絶対に言えないよ… クールなくせに過保護なお兄ちゃんの耳に入ったらますます話が混乱しそう。 私は無言でぷるぷる首を横に振る。 私の方に身をのりだすようにして聞いていた柊司が、苦々し気にドサリとソファーの背もたれに体を預けた。