---どうしよう?

胸のドキドキがとまらない…




私はずいぶん久しぶり上がりこんだ柊司のマンションで、ソファーに座りながら濡れたタオルで目元を冷やしていた。


この部屋に入ったのは数回しかない。

そしてその数回はお兄ちゃんと一緒だったから、ひとりで訪れるのは初めて。



こんな時でなかったら…
もっと以前の私だったら…

すっごく嬉しくて柊司に止められても部屋中探検していたに違いない。



私はタオルを目の上に載せたまま、ぐったりソファーの背に身を預けた。


キッチンからは柊司が何かを調理する音が聞こえてくる。



私はささやかな胸をそっと押さえた。

さっきからずっと、早いリズムを刻んでる。