「っや…、」
二人の絡んだ指が、息が感じられるくらい柊司の顔の間近にある。
「あーっ!!
そろそろ帰らなくちゃ!」
麻紀ちゃんがスクッと立ち上がった。
「そうだな!
これから行くところあったんだよな!」
「え?ちょ、待っ---」
「ちょっと司、響くんも、片付けるの手伝って」
「麻紀ちゃんっ、ね、待っ…、」
立ち上がろとした私は柊司に手を引かれて、今度は柊司の膝の上に尻餅をついた。
「麻紀ちゃんいいよ、片付けなくて。
後は澪と俺がするから」
柊司は私を膝の上に乗せたまま、にっこり笑顔を見せる。
「はぁっ?!」
柊司ったらどういうつもり?!
私は大パニックで、もがいて柊司の膝の上から飛び下りた。
キッチンに食器を下げに行った三人の後を急いで追う。
