「この前ダメだって言っただろ?」
ポトッ、
私の手からスプーンが滑り落ちて、ラグの上にころがった。
「しゅ、…」
後ろから柊司の長い指が私の右手をさらって、その指を絡ませる。
もう一方の腕が私のお腹のあたりにまわって、強く後ろに引き寄せられた。
「し、柊司っ?!」
私はソファーを背に、無造作に投げ出された柊司の長い足の間に挟まれた。
顎が外れるくらい大口を開ける麻紀ちゃん。
司くんや響くんがどんな顔をしてるかなんて、怖くて見れない…
「爪が傷つく」
指を絡ませた右手を、柊司が上へと引き上げる。
絡み合った指先が溶けてしまいそうなくらい熱い…
私はくらくらして気が遠くなりそうになりながら、柊司を見上げた。
