「俺も高校の時、サッカーしてた」


「え?そうなんですか?!
ちなみにポジションどこですか?」



俺が司とサッカー談義を始めた横で、響は話に加わわらず所在なさげに目を伏せていた。



俺は司と話しながらも、さりげなく響を観察する。



整った顔立ちに、今時の流行りを押さえたファッション。

いかにも女にモテそうなルックス。


拗ねて悪ぶってみてもどこか育ちの良さがにじみ出るような、母性本能をくすぐるタイプ。






コイツは、覚えているだろうか?



たった一度、ほんのすこしのあいだ立ち話ししただけの俺のことを---