「あ」
男の子は小さくそういって大きな目をさらに大きくさせてあたしを見た。

「何?知り合い??」
美奈子はあたしの顔と男の子の顔を交互に見る。

「朝、電車の車両が一緒だった。ね?」
あたしは男の子に笑いかけた。

「まさか同じクラスになるとは」
男の子はぼふっと椅子に座った。

「玲と同じ電車使ってる人ってこの学校じゃあんまりいないよね。
それなのに同じ車両って凄いね。」
美奈子も目を開いて驚いた。