「ねぇあっちの美男美女。
こっち見てない??」
侑里は真央のブレザーを引っ張って少し小言で言った。

「こっちが見てるからあっちも見てるんだよ」

「こっちがあっち見ててあっちもこっち見てんの?」

「あっちはこっち見てないよ。
こっちが見てるから見てんの。」
真央が言った事がややこしかったので侑里は、んん?と眉を潜めた。
「つまり自意識過剰?」
侑里は、はっとすっきりした顔で言った。

「そういう事じゃない?」
真央と侑里は、あははと仲よさげに笑った。