「ねぇあれ、同じ学校じゃない?」
電車での口論はヤメにして、玲は晴に侑里達を見ろと促した。

同じ車両に乗っている彼ら。
互いに意識はしているものの、
それ以上には発展しないいじらしい感じの空気が漂う。

「あ、ホントだ。同い年?」
晴も、地面にお花畑が見えてもおかしくない雰囲気の二人を見た。

「じゃない?この時間帯って新入生だけでしょ?」
玲は至って冷静にそう言った。

「付き合ってんのかな?」
晴は楽々に掴める吊り革を二本掴んでうなだれた