「……っつ…」
痛みを堪える手に力が入る。
許可が出た瞬間に喜んで飛びつき、首筋に食らいつく姿はこれもまた狼なのかもしれない。
「…ぅ、あー…」
我慢していた声が漏れる。
その声を聞いてカナタも顎に力を込める。
「……や…」
カナタの胸を押した。小さく抵抗を見せる。カナタはそれに反応して、口を離す。ホッと胸を撫で下ろした瞬間に、私の顔をカナタは覗き込んで言った。
「…ん…少し黙っててね…?」
「…え…?」
意味がわからなくてキョトンとしていると、いきなり反対側の首を吸われた。