そりゃあ…心細いし、怖いし、寂しい。でも、私の我が儘で先生の、楽しみを奪いたくはない。


「それに俺、家で飲むのは好きなんだが、飲み会は好きじゃないんだよ。

それから、俺がお前といたいわけ。お前が嫌だと言っても、拒否権ないから。俺、お前のこと離すつもりないし。」


「わかりました。」

先生は、一体、どう考えているんだろう。私のこと。あなたのその瞳には私なんて生徒の一人にしか映っていないのかな。

でも、そんな言われ方したら…勘違いしちゃうよ。


そう思っていると先生は頭を撫でてくれた。

先生の手、大きいな。なんか安心する。
私はそのまま、目を閉じると…

「他の男に、もし頭を撫でられても…目、閉じるなよ。」って

困ったように言ってきた。もちろん、私の頭にははてながいっぱい。

でも、なんだか、嬉しくて「はい。」って返事をした。




「じゃあ、先に私は帰りますね。夕飯は食べてきますか?」


「いや、お前の飯を食うよ。」


「分かりました。じゃあ、先生の分も作って待ってますね。」


「あぁ。」



ガラッ…


先生、ご飯は家で食べるってことは思っていた以上に早く帰ってくるって事だよね。

よし、今夜も美味しく作れますように。今日はなにがいいかな。…そうだ、肉じゃがにしよう。