どうにかフライパンの中の卵と格闘しながら、とりあえず…完成。


うん、はじめてにしては上出来。ちょっと焦げちゃったけど味にはかわりないでしょ。


「ただいま…。」


わぁ~グッドタイミング!


「おかえりなさぁーい!!」


私はそのまま玄関に駆け足で向かった。
先生、オムライス好きかな?美味しく食べてくれるかな…?


「おかえりなさい、お風呂にします?それともご飯?」


私はウキウキでリビングに向かう。なんだろう、なんか、新婚さんみたいー♪



『お風呂にします?それともご飯にします?』


私のこの一言を聞いたあと、くいっと引っ張られて先生の胸の中へ。そして、先生は…

『じゃあ…、お前にするよ。』


って言ってそのまま二人の甘いあまーい時間が流れる…。


“お前にするよ。”だって。キャー!言われてみたいもんだわ。 そんな甘い言葉。っていけない。自分の世界に入っちゃった。


「ご飯にします?って、もしかして、なんか作ったのか?」


「はい♪」


「火事に…なってないよな!?怪我もないか!?」


「…失礼ですね、大丈夫ですよ。」

そう言ってリビングに先生を連れていった。
またまた驚いている先生。全く、失礼なんだから。



「これ…お前が作ったのか?」


「はい。」


「ふーん、初めてにしては上手いな。」


す、すごい。私が初めてオムライス作ったってバレてる。


「ん…?どうした?」


「なんで、私が初めて今日オムライスを作ったって分かったんですか?」



「見た目と、勘。


じゃあ、せっかく結香が作ったから食うか。
いただきます。」



「はい!!いただいて下さい。」



先生が一口オムライスを持っていった時だった。
先生の顔が、少し歪んだ…。


「…先生、オムライス美味しくない…?」


「い、や。不味くはない。」



「本当!?よかった。」


「ちょっと、待ってろ。」