でもさ、先生も呼ぶならさっきのホームルームの時に呼べば良かったじゃん。


私、帰る気満々で帰る準備しちゃったよ…。


「結香ちゃん、じゃあね。バイバーイ♪」


「うん、また明日ねぇ～♪」


「なんだよ、結香。また呼び出しかよ～。今度は何したんだよ～(笑)」


笑いながら私の前の席に座る秀くん。
多分、テストの結果だよ。と、思ってもあえて口にはしない。面倒だし。
呼び出さなくても…家に帰ってからでも話せるのに。なんでわざわざ学校で呼ばれなきゃいけないわけ!?


「ったく。そんな怖い顔して考え事すんなよ。」


「怖い顔なんかしてないっつうの!!」


「いや、してるって。」


「もぉー！してないってば。
じゃあ、私先生に呼ばれてるから行くね。」


｢あぁ、じゃあなー。｣


きっと、早くいかないと怒られちゃう。何してたんだよ、遅かったな。とか言われたりさ。
でも、マジで今日のテストは不味かった。ちゃんと授業中の先生の話は聞いていないといけないなってつくずく思っちゃったもん。



急いで教室を出て英語科準備室に向かったが、
教室と建物が違うからちょっと時間がかかっちゃった。



トントン…ガラッ


「せん、先生、失礼します！」


廊下を急いで走って先生の所へ行くと、先生は部屋で自分の椅子に座りながらこちらを見ている。

その姿は、家で見る先生の本性で教室での姿はこれっぽっちも感じない。全くの別人だな、これは。


なんていうんだろう…まるで、そう。魔王が君臨したかのような存在感と威圧感。


廊下を走ってきたためいまだ肩で息をしているようだ。とりあえず呼吸を整えなきゃ。