「授業をしっかり今まで受けていれば分かる問題ばかりです。」


るいちゃんは「えー…」っ言いながらも頑張るぞ、って気合いが入っている。
るいちゃん、確か、先生の英語の授業は得意だよなぁ…。文法より簡単ー、とか言ってたし。

私はー…もう諦める。だって、英語好きじゃないもん。無理だよー…。

配られてきたテストを見てビックリ。
テストの半分は英単語。残りの半分は… 先生についてのテストだった。


意味がわからない。英単語は…まったく、分からない。
先生についても…よく分からない私。

これは、いろいろな意味で不味い…。



「はい、そこまで。
後ろから回収してください。」


終わった。本当にいろいろな意味で…終わった。

英単語は…半分はできたと思う。
でも、それ以上に先生についてのテストの方がほとんど分からなかった…。


「先生、私、先生についてのとこめっちゃ出来たよー！」

「私もー♪」


「俺もそこだけは完璧(笑)」


女子たちのアピールタイムの始まりだ。
だが、なぜかそれに混ざっている秀くん…。

秀くんはクラスの委員長だけど…委員長っぽくない。でも、クラスのキャラクター的存在な気がする。

普段は、アホっぽいしバカっぽいけれど…でも、多分繊細な面をもった人なんだと思う。

みんな…先生について、できたんだ。凄いな。私は…ヤバイな。今まで話を聞いていなかったことがばれちゃうよ…。



それから、午後の授業も終わりあとは帰るだけ。
やっと帰れる～！って思ったときだった。


やっと帰れると思ったのに…。なんでよ…。



「松下 結香さん。至急、英語準備室の藤堂所へ来てください。」




はい、呼び出しきたー。多分、きっと…あの授業の時のテストの結果が悪すぎて呼び出されてるんだろうな。はぁー…仕方ない、行くか。