そう言って先生が車を止めたのは…
この辺りで、この私でも知ってる高級なマンション。

セキュリティとかも万全で部屋も大きいし数があるって前に噂で聞いたことがある。
それに、お金持ちな人しか住めないって…。

まさか…ここ?
先生…一体いくら稼いでるわけ?先生って一体何者なの!?普通の教師がこんな高級マンションに住める?いや、無理でしょ、普通。

車だって凄い高級そうな車だし…。



こんなすごいところに私住んでいいわけ!?



「よし、入るぞ。お前のベットとか机とかの家具はもう届いてセットされている。」


「ま、まじですか。」


私、さっき家でたばかりだよ?その時にはまだベッドもなにもかも、部屋にあったよ…?
業者さん…凄すぎる。超早業。


「帰ってきたら、ここに、暗証番号を入れる。そして、認証されたら扉が開くから中へ入れ。いいな…?」


「は、はい。」


本当に暗証番号を入れると扉が開いた。
やっぱり凄いな。家とのセキュリティーの違いが半端ない。


私は先生のあとを歩いて中へ入る。うん、シャンデリアとかあって、どっかのホテルみたい。


「ここからはエレベーターで10階まで上がる。部屋は108号室だ。」


「は、い。」


なんかもう、私はさっきから驚きでいっぱいいっぱいだ。


「先生…。」


「んー?」


「ありがとうございます。」


もし、先生と暮らすことにならなければこんなに良いところには一生住めないだろうし。

私がお礼を言うとニヤッと意地悪そうに笑いながら私の頭をポンポンと触ってきた。


「どーいたしまして。」


そして、エレベーターは、ちょうど10階に止まって部屋の前まで歩き、先生は部屋の鍵を開けた。

するとポケットからもう1つ鍵を出すと私に差し出した。


「これ、合鍵だから。なくすなよ。」


「は、はい!!あ…でも、彼女に…。」


「問題ない。そもそも彼女もいないから。」


あ、そうなんだ。
なんかもう驚かないわ。さっきの嘘だったっていうのが印象に強すぎて。


「ここがリビング。台所。トイレ。それから、こっちは俺の部屋でその隣の部屋、これが結香。お前の部屋だ。」


そう言って私の部屋と言われた部屋のドアが開けられる。
すると、部屋にはベットも机もタンスもセットされていた。