何度でも何度でも…

といわれても、と少し困ったように片眉を寄せる海斗に、

「なんてね。今更直せなんて思ってないよ」

つぶやきながら肩に顔をうずめる

そんなところだって好きなんだから、仕方ない

「ねえ、前に海斗言ってたよね。私が誰のとこに行ってもいいって。あれさ、もし、ホントにそうなったら海斗はどうするの?」

見上げた瞳は優しさを宿しながら静かに見下ろしてくる

「どうするって。どうもしないけど」

「海斗は寂しくない?どこにも行ってほしくないって思わないの?」

私が離れていかないように抗ったりしない?

あなたを繋ぎ止めておきたいと思っているのは、自分だけなのだろうか

問いかけに海斗はゆっくりと、でもしっかりと言葉を紡ぐ

「寂しいだろうし手を離したくないって思うんだろうさ。でも、しるふが俺のそばにいるよりも幸せになれる道があるのなら、しるふもそれを望むのなら、その時はそれはそれで構わない」

大切だからこそ、笑っていてほしい、幸せであってほしい

例え、その隣に自分がいないくとも

それがしるふの心から望む、笑顔になれる道ならば、自分は潔く舞台から退こう

もちろん、そんなことさせやしないけれど

紡ぐ海斗の瞳は優しい