何度でも何度でも…

しるふしか知らない海斗の眼鏡姿

初めて見た時は衝撃のあまり固まってしまったのは、いい思い出だ

海斗の部屋に行った時や今日みたいに時に不意打ちでかけるから結構新鮮で、

毎回密かにドキドキしてたりする

数少ない、優越感を覚える瞬間

実は眼鏡姿が結構ツボだなんて言えるわけないのだけれど

「海斗」

ドアにもたれたまま、しるふはそっと呼びかける

すると今、本当に今しるふがいることに気が付いたように海斗が顔を上げる

濁りのない漆黒の瞳がしるふを捕える

その奥にあるのは、優しい光

「どうした」

問いかける声音ももう何年も変わらない

うつむきかげんで小さくはにかんでから、海斗と隣に肩が触れ合うくらい近く座る

「彼女が部屋に入ってきたことも気が付かないで仕事しないの」

そんなことしてると本当に寂しくなるよ

膝を抱えてそっと寄りかかりながら、すねた様につぶやく