何度でも何度でも…

「んなわけないでしょ!!誰がヤキモチなんて焼くのよ!海斗相手に!!この淡泊だけが売りの堅物男に誰がヤキモチなんて!!」

そういってる時点で、あんた墓穴掘ってるわよ

と、冷静な紗雪の声が響く

「だから違うってば!!海斗も海斗よ!!そんなに私のことばかにしてばっかりいるとね、白鳥さんのとこ行っちゃうんだからね!!」

泣いてすがりついたって蹴落としてやるんだから!!

「どうぞご自由に。実家に帰ってきてまで口説かれやしないと思った俺の予想をばっちり裏切ってくれるもんな」

さすがだよ

何を!?

「だからこの状況誰が予想できたのよ!」

「そこがしるふの鈍感なところなんだって。いつだって油断は禁物。少しは考えるようになれよ」

「考えない」

即答

しごく真面目な顔で首を振ったしるふに、沈黙の後、海斗の深いため息が響く

「もう諦めたというか、認めたというか…。しるふのその鈍感さは直せないとわかってはいるんだけど、だからってアンテナを引込めていていいとは言わないし、言えないわけで」

どうにかならんもんかね

「まじ。未だに女心が分からない、ストレート直球しか理解しない海斗に言われるとか、断じてありえないんですけど」

瞳を細めて海斗を見下ろす