何度でも何度でも…

「よかったわー、海斗君に会えて-」

普段は由斗希央、美沙の3人が住む戸建ての家は、しるふ、海斗、

臨時で店を休みにしてきた紗雪(経営大丈夫かな…)と速人が加わり、かなりの大所帯

そんな中、お決まりのソファに腰かける紗雪は、

ソファの前に置かれたテーブルの横で美沙と遊ぶ海斗に満面の笑みを向ける

姉の言葉に海斗も小さく笑みを宿す

そんな海斗と紗雪の会話をぼんやり聞きつつ、しるふは希央とともに夕食の準備をしていた

海斗と速人は一応(本当に一応、特に海斗)客だし、紗雪は料理が得意とは言えない

大食いがいないといっても大人6人に元気な4歳児が一人

それなりの量が必要だ

「あ、そうだ。海斗君、ごめんね」

思い出したような紗雪の言葉に海斗が不思議そうな顔を向ける

「白鳥さんのこと。ホント、しるふが無警戒で」

ごめんねー

とさして謝る気のない紗雪の声が聞こえてきて、ちぎっていたレタスに思わず力が籠る

こないだは楽しんでたじゃないか、この状況を

両手に花じゃん、とか言って

紗雪の言葉に海斗は納得した表情で、ああとつぶやき

「別に気にしてませんよ、しるふの無警戒は今に始まったことじゃないですし」

苦笑交じりにそういう