何度でも何度でも…

「じゃ、自由にやらせてもらうよ」

微笑む白鳥に、やめてーというしるふの心の中の声は届かない

「どーぞ。しるふは大変ですよ」

相当な覚悟をもって臨んで下さい

ふっと鼻で笑いつつ瞳を細める海斗を

挑発するようなこと言わないでよね

と、白鳥にはわからないようににらむ

その視線に気が付いたのか、海斗が軽く肩をすくめ

「じゃ、失礼します、白鳥さん。くれぐれも黒崎病院を敵に回すようなことはしないで下さいね」

うちの大切な姫君ですから

くぎを刺すようにそう言い置いて踵を返す海斗のを後を、軽く会釈した後追いかける


「…っ。海斗ー」

病院を出て道路に出ながら少し前を行く逞しい背に呼びかける

何?

振り向いた海斗のはひょうひょうとしている

「なんであそこで挑発すようなこと言うのよー」

追いついて間を詰めながら漆黒の瞳を見上げる

少し泣きたい気分

「あそこで捕まってるお前が悪い」

「捕まりたくて捕まったんじゃないし。それに、白鳥さんにどう断ろうか考えてるところだったんだから」

なのに海斗があんなこと言うから言いそびれたじゃない