「ばかね。100年なんて人間生きないわよ」

「そ、だから無理なんだって。しるふが俺をからかうなんて」

ふっと口角を上げる海斗に、

「うっわ、嫌な奴ー。少しはさ、希望を持たせるようなこと言えないの?」

小さくほほを膨らませながら抗議する

「これ以上しるふに振り回されるわけにはいかないからな。芽生えた芽は早いうちに摘んでおかないと」

そう言いながらテーブルの反対側に回り、椅子を引く

「…それどういうこと?」

全く海斗の言葉の意味が分からないしるふは、自分も椅子を引きながらきょとんと首をかしげる

「さあ…?あとでよく考えてみな。何かわかるかもな」

それより、そろそろ食べごろだろ?

いい具合に話を打ち切り、海斗が皿に湯気の上がる具材を取り分けてくれる

ありがとう

受け取りながらしるふは頭の中で海斗の言葉を反芻する

どういう意味だろう…

考える風情ではむっと味のしみこんだタラを口に含む

「ん、おいしい」

途端、考え何てどうでもよくなってにっこりとほほ笑むしるふに、海斗は小さく笑みを宿す