何度でも何度でも…

「正確には結婚を前提にお付き合いしませんかって言われたー」

もー、どうにかしてー!!

あー!!と叫ぶのと同時に意味の分からない涙なんて吹っ飛んでしまう

「……しるふ、」

はあ、と深いため息の後海斗の静かな声音が響く

「まず、落ち着け。それから何がどうなってそういう結果に至ったのかを順序立てて話せ」

突然叫んだりするなよ

海斗の声に諦めが混じっているのは気のせいだろうか

「…昨日、叔母さんから電話があって、叔母さんの知り合いの息子が医者で、で、私が医者だってことを話したらぜひ会ってみたいって言うことになったらしく…断れなかったんだからね!!もう、場所も時間も決まってたんだから!!」

そこで怒ったりしないでね!!!

「わかってる。わかってるから叫ぶなって」

ああ、どうして、本当にどこをどう間違えばこれに惚れたりするんだろう

と電話先で一人思ったことは、しるふには言わない

「で?」

「で、仕方ないから会って食事して、病院を見せてくれることになって、で、ちょーっと逃走してた男の子捕まえてなだめたら…、素晴らしいひとです、みたいな」