でもこの色好きかも

「やっぱりー、しるふちゃんにはこの色似合うと思ったのよー、さ、行きましょ」

にっこり満足そうに微笑んだ叔母はそのまましるふの腕を引き、家を出る

姉たちが恐る恐るリビングのドアから顔を覗かせて「いってらっしゃーい」と見送ってくれる

心境は、今まさに見ず知らずの人のことろに嫁ぐ平安の姫君

その先に待つのは鬼か、仏か

見上げた空は、いやみ否ほどきれいだった