何度でも何度でも…

膝を抱えてじっとりとにらんでくるしるふに一瞥をくれ、海斗は肩をすくめる

「海斗のせいだかんね」

「はいはい」

さてこのしゃがみながら「大体さ、海斗はSなのよ。つか、怖がりだって知ってて彼女をお化け屋敷に連れてくとかどういう心境!?ほっんと彼氏としてあり得ない!」とかぶつくさつぶやいている不機嫌な我が彼女の曲がってしまった機嫌をどうやって直そうか

ひとまず甘いものででもつってみようか

いや、さっきアイスはおごったし

その手に乗るほど今のしるふの機嫌はよろしくない

さて、どーっすかなーとあたりを見回した海斗はふと巨大な円が目に入って、

「ほら、次行くぞ」

と言いつつしゃがんでいるしるふの腕を引っ張って立たせる

立ちながらも睨み付けてくるから相当ご機嫌斜めのようだ

睨み付けられてもちっとも怖くなんだけどと心の中で苦笑し、しるふの手を握る

引っ張られるように二歩ほど後ろを歩くしるふは、それでも絡ませた手をしっかり握ってくる

素直じゃないなーと再び苦笑する

素直になることがきっとお化け屋敷の次位に苦手であろう恋人は少し唇ととがらせながらそっぽを向いている