“空斗はもう、あたしの側に居ない。”



この言葉を信じたくなかった。




ということは、あたしはもう、誰にも必要とされていない。




誰にも愛されていない。




空斗だけがあたしの支えだった。




空斗だけがあたしの事を理解してくれた。




空斗だけがあたしの全てだった。




後悔しないように一生懸命最善を尽くしたつもりだったのに




それが裏目にでる。




こんなに、愛しているのに、こんなに必要としているのに、こんなに涙が流れているのに




空斗は側に来てくれない、涙を拭いてくれない。




人は失ってから、その人の大切さがわかるもの――――――




あの後、蓮も空斗の病室にやってきて、泣いていた。




その姿を見ているのが辛くて、苦しくて…




あたしは急いで自分の病室に駆け込んだ。




だから今、ベットの中でうずくまって声を殺して泣いている。




すると、いきなり海生さんの声が聞こえた。



「…琴音チャン…。大丈夫?今…平気…?」