あたしが、空斗の病室に向かうたび、毎回笑顔で迎えてくれる。




それだけでも、幸せで、嬉しくて。




恋人だからといって、手を繋いだり、抱き合ったりするのはあたし達の関係には必要ない。




"自分のそばに大切な人がいる。隣で、大切な人がわらっている。"




それが大切なんだと知った。




今までのあたしは、暗くて恋愛なんて一度も経験したことなかった。





テレビのドラマや、人の話を聞いてそんなの口先だけだと思っていた。





でも、実際はこんなにも"存在"が大切なんだってそう感じた。





あたしのこの気持ち、空斗にも伝わって欲しい。





あたしは、空斗に検査と嘘をつき自分の病室に戻った。




そして便箋とペンをとり、手紙を書いた。