あたしは別室を出て空斗の病室ののドアから空斗を見た。




やっぱり 瞼は閉じていて。




病室の前にあるベンチにドスッと座り込んだ。




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何分、何時間たったのだろうか。




「琴音さん?空斗さんの目が覚めましたよ、どうぞ入って喋ってあげてください。」




「あ…はい…。」




扉をガラっと開ける。




空斗は窓の外をジッと見つめていた。




「空…綺麗…ですね。」




と言い、コッチを向いた。




「あの…どうぞ座って。」




あたしは言われるまま、椅子に座った。




空斗はもう、あたしの記憶が無い。




そう思うと胸が苦しくなる。




でも、普通にしないと…。




「こんにちは。あたしは笹原琴音!空斗と同い年だよ?よろしく!」




「あ……こちらこそよろしくお願いします。って同い年だったら、タメ語でいいか。俺は…安藤空斗…と言う名前だってさっき先生に言われた。」




…やっぱり自分の名前も覚えてなかったんだね…。




「えーっと…琴音でいいのかな?」




「うん!!あたしも空斗って呼ぶね!」




あたし達は手を出しあい握手した。




やっぱり空斗は空斗。




手は大きくて優しくて温かかった。




ココからが同じ人への2度目の恋。




すべては0から始まったんだ。