君と出会ってーー。~あなたがいた頃は~

ガラッ




「空斗~来たよ~!!」






扉を開けると、空斗と蓮が楽しそうに話している姿が目に映った。








蓮の事もまだ覚えてるみたいだね…。







「おっ!!琴音!…と、誰?琴音の知り合い?」







「え…?」







海生さんの顔が一瞬でこわばったのが分かった。







「空斗…?何…言ってるの?私だよ?母さんだよ!?」







空斗は不思議そうな顔をしている。







「母さん?何の冗談ですか?俺には母さんいますよ?」







「あ…ぁ…。何で?なんでよぉ…」







そういって、海生さんは泣き崩れた。







蓮は空斗の顔を見て、悲しそうな顔をしている。







見て…られない。








「…ごめん。空斗。あたし、検査の時間だから部屋に帰るね。」








検査なんて真っ赤なウソ。







もう、やだよ。







神様…意地悪しすぎだってば…。







あたしは前を向かず方向を変え、いちもくさんに走り出た。






「おぅ。またな~♪」






空斗はあんなにも呆気なく全てを忘れてしまうの?







人の気持ちも思い出も…全部。






なんて、残酷なの?