「今の電話、それだったのか?」




空斗が尋ねる。




「あぁ。『残念ながら、今回は…』ってさ。やっぱり…俺には才能無いのかな?夢、諦めた方がいいかな…」





「簡単に諦めちゃダメ。蓮の夢はそんな簡単に諦められるほど、軽いものなの?蓮は、それでいいの?」




思わず、言い返しちゃった。諦めてほしくなかったから。






「俺だって、本気だったよ。でも…もう、無理なんだよ。」





蓮の答えを聞いて、空斗が口を開いた。




「蓮…夢ってのはな、叶わない事の方が多い。


うまくいかない事の方が多い。


それでもいい。それでも想えば良いと思う。


行動すればいい。ぶつかってもいい。


ぶつかるのは歩いて、前に進んでいる事だから。


最初から全部叶うものにはあまり価値はない。


その過程の方に価値はある。


俺達、知ってるよ?お前が頑張ってた事。



チャンスはまだ、いくらでもある。



だから、諦めんな。」





「空斗…サンキュー!俺、頑張ってみるよ。」





「おぅ。頑張れ!」




「蓮、応援してるよ!」




あたし達は励ましあった。