昨日のお酒が残っているのか、頭がガンガンするし、胃はキリキリしている。私はお腹を押さえながらも、黒崎さんの元へ向かった。



またこの前と同じセンターの隣の会議室に通された。

怒られるのかと思うとますます胃が痛くなる。



黒崎さんは、会議室のドアを閉めるのと同時に思いがけない言葉を言った。



「お前、体調悪いんじゃないのか?」


「・・・え?」


「顔が真っ青なんだよ。だから遅刻してきたんだろ?」



顔の表情とは裏腹な言葉に、私は驚きを隠せないでいた。



「あ、まぁ・・・ちょっと胃が・・・」


「・・・ったく。具合が悪い時はすぐ電話しろよ。そういう時は無理に来なくてもいーから。・・・ちょっと待ってろ」



そう言い、一度センターに行くと、すぐに戻ってきた。



「ほら」



そう言って胃薬のビンを私に渡す黒崎さん。

顔は眉間にしわが寄ったままだが、優しさが伝わってくる。



「どーして胃薬なんて・・・」


「こんだけ人がいれば体調崩すやつなんていっぱい出てくんだろ、処置室まで行かなくてもいいように、数種類の薬をいつも常備してんだよ」