「・・・わかった。じゃあ帰りに」
「ほ、本当ですかっ」
上を見上げると、穏やかな彼の表情に少しほっとする。
やっと・・・
やっとちゃんと話すことができる。
私は朝から気合を入れて仕事に取り掛かった。
だが、私はその後とてつもなく落ち込むことを耳にする。
「藤本さんと課長、付き合ってるっぽいわよ」
伊藤さんが休憩中、私の隣にやってきて小声でそう言った。
私が“え!?”って顏をすると、伊藤さんは手に持っていたココアを一口飲み込んだ。
「この前朝に二人がマンションから出てくるのを見たって子がいるんだって。どっちの家かはわかんないけど、高そうなマンションだったそうよー」
「そ、そうなんですか」
動揺して頭が真っ白になる。
「私は桜井さんを応援してたのに!だからショックでショックで・・・」
そう言って深いため息をつく。
どうか見間違いであってほしい。
だけど・・・この前藤本さんが言ってた。
黒崎さんと寝たって・・・



