閉店までお客さんは途切れず、最後のお客さんを見送った時、時計の針は4時を差していた。



「終わった・・・」



私のその言葉と同時に、店長が受付から出てきた。




「お疲れ様、今日頑張ったなぁー」



「はい、なんかあっという間でした・・・途中泣いちゃったりしましたけどっ」



「ホント人気あんのに辞めるなんてもったいねーよ。月曜送別会やるから絶対こいよー!」



「はい!・・・そういえばマリナは・・・」



待機室のほうを覗き込んだがここからは中の様子が見えない。

すると店長は困ったような顔をした。




「あいつなぁ、何あったか話もしねーんだよ、帰れって言ったんだけどお前が終わるの待ってるって」


「え!そうなんですか!」



急いで待機室に戻ると他の女の子達の姿はなく、部屋の端のほうでうなだれたまま体育座りしているマリナがいた。



「マリナ!ごめん待たせてっ」



マリナはゆっくりと顔を上げたが、開店の時と変わらぬ姿のままで、泣きすぎたのか瞼が腫れていた。



「どうしたのよ・・・」



「・・・アユムが・・・別れてくれって・・・」



「え!?」