「・・・え?」


黒崎さんが私から飯田さんに視線を移す。



「玲人だよな!?俺飯田だけど・・・早稲田でサークルが一緒だった・・・」


「・・・飯田先輩?」


「おお!久しぶりだな、卒業して以来会ってねぇよな?」




信じられなかった。


二人は同じ大学でしかも同じサークルの先輩後輩だったらしい。



「どうしたんだよこんな所で。あ、隣にいる美人は彼女か?」



飯田さんが藤本さんを見てにやけている。藤本さんは否定もせずに微笑んで会釈している。



「・・・いや、・・・こっちが彼女です」



私の方を指した黒崎さんの目は私を軽蔑するかのように冷めていた。


もう終わりかもしれない・・・


外の寒さと重なって、足が震えだす。



「え・・・サナちゃん?」


「サナっていうんですかこの子」



他人事のように飯田さんに言う黒崎さん。



「いや・・・まさかサナちゃんの彼氏が玲人だったなんて・・・」


飯田さんも信じられないといった表情で私を見る。