「やめてよ!なんなの!?私の事好きだとか言っといて・・・」
「聞いて!・・・俺、彼女がいる」
聞きたくない。
こんな奴の事を少しでも気になっていたなんて、情けなさすぎる。
「でもね、俺は今まで適当に女の子と付き合ってきたんだ。この子も含めて・・・本当の恋愛なんて知らなかったし、胸が苦しくなるとか、そういう思いもしたことなかった。でも、恵里香ちゃんと出逢って・・・マジで一目ぼれした。出会ってから毎日恵里香ちゃんの事しか考えてないし、大事にしようって本気で思ってたんだ」
抱きしめられている手が震えている。これも演技・・・なのだろうか。
「・・・だったらなんですぐに別れないのよ」
「まさか・・・恵里香ちゃんが俺を相手にしてくれるなんて思ってもなかったから・・・でもこの前電話来た時、すぐ彼女とは別れようと思っていた。店には来るけど、もうそれ以外では会ってないし!」
「店・・・?彼女お客さんだったの?」
アユムがしまったというような顔をした。
「・・・まぁ。うん」
「結局さぁ、私の事もいずれ客にしようと考えてたんじゃないの!?うまいこと言っちゃって・・・」
その時、肩を掴まれ、無理やり唇を奪われた。力強くて中々拒むことができない。



