“飯田さん、真面目すぎなんですよ!もっと周りを見て気を抜くとこは抜かなくちゃ!せっかくの人生、楽しまなくちゃもったいないですよ”



「・・・私そんなこと・・・」




「うん。君にとっては普通の会話にすぎなかったのかもしれない。でも俺には特別だったんだ。周りでそう言ってくれる人が今までいなかっから・・・・・・俺はそう言ってくれる人をずっと待っていたんだと思ったよ。気持ちがすっきりしてね。自分が変われるような気がしたんだ。」



私は、飯田さんの真っすぐな目を見る事ができなかった。



「感謝している。君は本当に俺の癒しだった。だから家の事を聞いた時も、すぐにでも助けてあげたいと思ったんだよ」




そんな風に思ってくれていたのに・・・私は彼をただの金づるとしか思っていなかった最低な女だ。
喉の奥が苦しくなって、胸が締め付けられているような感じがする。



「私は・・・私は飯田さんが思ってくれてるようなイイ子じゃありません・・・飯田さんをただのお客さんとしか思っていなかったし。高そうな物沢山持ってるからいいお客さんになるだろうって思ってた。飯田さんと付き合ったらお金に困らないんだろうなとか・・・辞めるまでうまく繋ぎとめておこうとしか思ってなかったんですよっ・・・」