「その人とはうまくいったのかな?」
「・・・はい・・・」
罪悪感でいっぱいだった。
もっと早く飯田さんに言っていればよかった。
そんな私の心を見抜いたのか、飯田さんは微笑んで言った。
「そんな顔しないで。俺はどんな時もサナちゃんの味方だよ。・・・でも残念だなぁ、そばで見守る事ができるのが俺じゃないなんてね」
「飯田さん・・・本当にごめんなさい。色々相談にも乗ってもらって・・・こんなに良くしていただいたのに・・・」
「いや、俺は見返りがほしくてやってたわけじゃないよ。本当に少しでも力になりたかったんだ。ここを辞めて、昼間やってる仕事一本で頑張るの?」
「キャバで働く予定です・・・昼の仕事だけじゃ生活もできないし・・・」
「借金だってまだ残ってるんだろう?」
私は小さく頷いた。
「どのくらい残ってるの?」
「あと600くらい・・・」
「・・・それじゃあ600万、俺に借りなよ」
飯田さんのその言葉に私は驚いて聞き返した。
「返すのはいつになったってかまわない。少しずつでもいいんだ、利子もいらない」
「飯田さんっそれはできません!」



