ガラガラッ



美沙は寝ている



ガタンッ



夏季が人差し指を自分の口元まで持っていき「しー!」っと言った




「ごめん」


陽は小さい声で言った



しかし美沙は目を覚ました



「あ・れ?」


美沙は驚いている



それを見た夏季が言った



「美沙~よかったぁ私!分かる?」



夏季は怖くて一応確認した



「うん、分かるよ!夏季でしょ?ってか何で私ここで寝てたのかなぁ」



美沙は何も覚えてない


夏季は神治の顔を見た



すると神治は言う



「甘沢、俺の事わかるか?」


「夏季の彼氏の西島君でしょ?2人とも何でそんなこと聞くの?」




横で聞いてきた陽の顔が見る見るうちに青くなっていった




それに気づいた神治は思い切って陽の変わりに言った



「じゃぁこいつは?」



そう言いながら神治は陽の方に指さした



「え?誰?」



2人は驚いた




「え・・美沙知らないの?嘘でしょ?」



「え・・本当に知らないんだけど・・誰なの?西島君の友だち?」




美沙は本当に陽の事を忘れているみたいだ




神治は決心した



今から言うことを・・




「甘沢、よく聞け!お前は記憶喪失なんだ」





「ちょ、ちょっと・・神治何言ってんのよ」




夏季は神治の顔を見た



その顔はとても真剣だった



「記憶・・喪失?でも、2人のことはちゃんと覚えてるよ。どゆこと?」



神治は1回深呼吸をした




「憎む人がいて、その人だけを忘れている記憶喪失なんだよ。
それが俺なんだよ・・きっと」




陽は神治が言う前に先に言った



「憎む・・・人?」




美沙はそう言って様子がおかしくなった



頭を抱えて叫ぶように言う



「いやぁぁぁあぁーー痛い痛い痛いー・・・フッ」