「秋菜が何を考えているのかわからないんだ。」 押し殺したように呟いた彼の声を、私は冷めていくコーヒーを見つめながら聞いていた。 顔を上げると、彼の傷ついたような悲しそうな顔を見ることになる。 彼のそんな顔は見たくなかった。 彼に出会ったのは三年前。 たまたま入った大学の写真サークルの先輩で、 入った当初から雰囲気が似てるだのいい感じだのと先輩たちにからかわれ続けた私たちが付き合いだすのに、そう時間はかからなかった。