「行ってきま~す!!!」
 「今日は早く帰ってきなさいよっ!!!かな!!あんたはいつも帰ってくるのが遅いんだか  らっ!!!前の時もね…」
 「はいはーいっ!!!分かってるってばっ!!!雷利兄ちゃん行こうっ!!!」
 「行ってきまーす…」


 うち、後藤かなで。今日から6年生なんだっ♪
 さっき怒ってたのは、うちのお母さん。
 なんかいっつも怒られるの。ほんとめんどくさ―い…
 もちろん感謝はしてるけどね。
 隣にいるのはうちのお兄ちゃん。
 後藤雷利(ごとうらいり)。今日から中学1年生。
 すっごい優しいお兄ちゃんなんだよっ!!!
 それに結構モテるらしい…。
 うちには分かんないけどねっ!!!
 「かなで朝からまた何かしたの?」
 雷利兄ちゃんがうちに聞いてきた。
 「何にもしてないよっ!!!なんかいきなり怒られたの!!!」
 「まあ、かなでとお母さんの喧嘩はいつもか(笑)」
 「もうっ!!!そんなこと言わないでよっ!!!」
 「はいはい(笑)」
 「ってか、雷利兄ちゃん。雪ちゃんは???って、ああ――――!!!!!!
  空の事忘れてたっ!!!後、葉海と、勇気もっ!!!」
 「あっ!!!俺も忘れてたっ!!!!」
 「「ヤっバ――――――!!!!!!」」

 松田空。根崎葉海。神河勇気。
 うちの大切な幼なじみ。
 特に空とは生まれた時から一緒。
 葉海と勇気は幼稚園のころから一緒。
 全員家が近くて、親同士も仲がいいの。
 うちと同じ、今日から小学6年生。
 で、松田雪。雷利兄ちゃんと同い年。
 で、空のお姉ちゃん。
 みんな仲が良くて、毎日一緒にいる。
 
 「かなで―――――!!!雷利兄ちゃんっ!!!遅いよっ!!!」
 葉海が叫んでるっ!!!葉海って怖いんだよね―・・・。
 「ごめんなさいっ!!!!忘れてたっ!!!」
 「はっ???それ、ひどくねっ???俺らの事忘れるなんてっ!!!」
 勇気が叫んでる。めんどくさい。
 「まあ、来たからいいじゃん。ねっ!!!」
 やっぱり雪ちゃんは…優しいっ!!!
 「ありがとう―!!!雪ちゃんっ♥」
 「別に俺も怒ってね―ぜ。なぁなぁかなでっ!!!
  その代わり…アイスおごれよっ!!!」
 「はあっ???そんなの嫌に決まってるじゃんっ!!!」 
 ほんとに空は…。ガキだ。
 「まぁ、いいから早くいこうぜ。今は何時だ?え―っと…
  8時20分……」
 「「「……………………」」」
 「「「ヤっっバ―遅刻だっ!!!!!!!」」」
 とにかく全員バカであります。