「……エフィ? エフィ?」
 イヤリングをつけてやり、自分の防寒着を着せてからそっとエフィを起こす。

「……リヴェズ……」
「ああ、良かった。無事だね?」

 優しく抱き締めると、エフィはまたリヴェズの匂いに酔っているようだ。
 イヤリングを外されたことにも気づいていなかったらしい。

 エフィを抱えて扉を開けると、外で待っていたウォルトが赤面する。
「な……その恰好……」

 エフィは、ノイトラのドレスを着せられていた。
 もともと刺激的なドレスであるうえに背丈も合わず、リヴェズの防寒着を着せたものの着衣の乱れは明らかだ。

「ノイさんにエフィの服を返してもらって、早くここから逃げよう」
「逃げるって、どうやって?
 歩いて逃げられるのか?」

 ――そうだった。
 ウォルトの冷静な問いにリヴェズは渋い顔をする。

「まあ、そう急いで行かれなくても良いではありませんか。
 しばらくはこちらでゆっくりなさって」

 いきなり目の前に現れたノイトラに、リヴェズはエフィを取られまいと必死に抱き締めた。


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