「エフィっ!!」

 だが果たして、開けた扉の向こうにはひとりでワイングラスを傾けるノイトラの姿があった。

「残念でしたわね」

 扉を体当たりで開けるなり、リヴェズが「エフィはこっちだ」と走り出したのである。
 その先に居たのがノイトラだったというわけだ。

「……まったく……」

 無造作に何かをテーブルの上に放る。
 エフィのイヤリングだ。

「自分が相手の場所を探知できるように仕組んだものを知らせずに持たせるなんて……良い夫ですこと」
「そ、それは……エフィが前にイヤリングを失くして泣いたから、今度は見つかるようにって……」

「現に今、小娘の居場所を探るのにお使いになったじゃありませんの!」

 ぐぅの音も出ない。

 ノイトラはイヤリングを懐に戻しながら、
「小娘は西館の2階の奥から3番目の部屋におりますわ」

 それを聞くや否や、リヴェズは駆け出した……と思いきや。

「イヤリング返して!」
 取って返してノイトラに迫った。


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