「……まったく、もう……」 まだ痛む顔面を擦りながら男が少女の顔に何やら指で紋様を描くと、光の軌跡が一瞬残り、すうっと消えていく。 少女の呼吸は落ち着いていった。 「……ごめんなさい! ごめんなさい!」 「……もういいよ」 平謝りする少年にそう言うと、少女をひょいっと抱え、 「僕はリヴェ=スーヴェンズ。リヴェズでいいよ。 君たち、家は?」 木刀の傷も残らない笑顔でそう言った。 ◇◆◇◆◇