「………………っ」



モシャモシャと無言のまま食べる優ちゃんの口の中で、噛み砕かれていってるクッキーの音が聞こえる。




「………………どう?」



何も言ってこない優ちゃんに痺れを切らし、顔を覗き込むようにして私は答えを待った。


1年間忍先輩に一から教えられて、苦手だったお料理もだいぶん出来るようになったよ。

でも、まだまだ小沢先輩が満足してくれるようなものには遠く及ばないハズ。


だからこそ、ちゃんとした評価を私にしてほしいの…っ!!





「…く……っ」



「く…?」



ゴクリと喉を通った音が、私にも聞こえた。


それで、評価は…?




「……………食えた」



「もぉ!何よソレ!」



優ちゃんの露骨な評価に、またしてもプゥッと頬を膨らせた私だけど。

でもそれが、きっと本音なんだろう。



でも…

「食えた」…かぁ。


小沢先輩も、同じような事言ってたもんなぁ。


もっと、頑張らなきゃ。