「ここって意外と誰も来ないんだよな。
ホント、ちょー穴場だったよ」



「……………………」



今まで特に何も疑わなかった小沢先輩の恋愛事情。

チョコレートもらうのはラッキーなんだけど、メッセージが書いてある事に迷惑感じてるって事は…



「だけど、誰か来たみたいだったから静かに隠れてたのに、まさか梅津に見つかるなんて思わなかっ……って!
ちょっ、梅津!?」



ここを通った時、気づかなかったぐらいだもん。
小沢先輩は確かに上手く隠れていたと思う。

自信ありげに言ってる通り、私は隠れてる小沢先輩を見つけたわけじゃなく単に名前を呼んだだけだものね。


…なんてぼんやり思っている私の顔を見た小沢先輩は、そう言って何故か目を見開いた。



え?
私がどうかしましたか?



「梅津、お前っ
なに…泣いてんだよっ」



「…え………?」