「…もぉっ
小沢先輩は美味しいって食べてくれたのにぃ」



それが社交辞令なのか本音なのかはわかんないんだけど。

でもだからこそ、昔から何でも話してきた優ちゃんには本当の事を言ってほしいのだ。



小沢先輩は、本当に美味しいと思って食べてくれたのか…。



「…小沢先輩？
小沢先輩も食べたのか？コレ」



プゥッと頬を膨らせる私に、優ちゃんはハッとして訊いてきた。


そうだ、優ちゃんは“小沢先輩”の言葉に異常に反応するほどライバル心を抱いているのだ。



「そうだけど？」



「じゃ、食べる」



「何よっ、いきなり………あっ」



私の手のひらに広げたボロボロガタガタクッキーを１つ摘むと、優ちゃんはパクリと口に放り込んだ。