「…スーッ…スーッ…」 賢の息をする音が異常に大きく聞こえる。 あたしの心臓も、緊張と心配でどうにかなってしまいそうだった。 そのたびに、和樹さんを思い出した。 出て行くときに見せてくれたあの笑顔は、不思議とあたしを冷静にしてくれた。 「ゆ、優華さん!優華さん!!」