「正気に戻っただろ?」

…あ。

そう言われてみると、さっきまでドクドクと激しかった鼓動も、心の乱れも、少し収まっているようだった。

和樹さん、あたしのこと…正気にするためにキスしたの?


自分のことは気にしないで?
すると、和樹さんがニッと笑った。